年中行事とは?
【年中行事】…一定の時期に毎年慣例として行われる儀式や催し物。
※慣例…繰り返し行われる習慣のようなこと。
※催し物…人を集めて行う会や祭り、イベントのこと。
日本には四季折々(春・夏・秋・冬)の行事があり、私たちは1年を通して、いろいろな行事をしていますね。
わたしたちの暮らしに当たり前のように存在している行事ですが、「なぜ行事をするのか」「何のために行事があるのか」といった行事の意味や由来などは、意外に知らないものです。
伝統や文化に触れることができる日本の行事について、紹介していきます。
11月の行事・イベント
酉の市
酉の市は、毎年11月の酉の日に各地の「鷲神社」または「大鳥神社」と呼ばれる神社でおこなわれるお祭りです。
江戸時代、花又村(いまの東京都足立区)にあった神社に、神様のつかいであるニワトリをおそなえしたことがはじまりと言われています。
その後、商売繁盛や開運を願うお祭りとなり、神社ではお金や福を集める縁起物として熊手が売られるようになったそうです。
酉の市は、東京都台東区浅草にある鷲神社が有名で、毎年多くの人で賑わいます。
商売をしている人たちは、おたふくのお面やタイ、小判、宝船といった縁起物がたくさんついた熊手を買い、商売繫盛を願ってお店に飾ります。
文化の日 11月3日
文化の日は「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」として定められた祝日です。
11月3日は、1964年に日本国憲法が公布された日であり、明治天皇の誕生日でもあります。
文化の日には、絵や写真といった展覧会や、音楽や演劇といった発表会など、全国でさまざまな文化に関係するイベントが行われています。
美術館や博物館、映画館に行って、芸術や文化に触れてみる、いい機会になるかもしれませんね。
立冬 11月7日ごろ
二十四節気の一つ。
立冬は、暦の上では冬のはじまる日とされています。
太陽の光が弱まり、北風がふきはじめ、だんだんと冬の訪れを感じるようになります。
冬のはじめに吹く、強い北風のことを「こがらし」と言います。
気象庁では、その冬最初のこがらしを「こがらし一号」とよんでいます。
亥の子・十日夜
旧暦の10月の最初の亥の日、亥の刻(午後9時ごろから11時ごろ)におこなわれる行事が「亥の子」です。
亥の日は、その年によって日にちが変わります。
「亥の子」は、おもに関西地方で行われる行事です。
中国の「亥子祝(病気をせず健康を願う儀式)」に由来すると言われています。
「亥の子もち」とよばれるお餅をつくって、神様におそなえし、家族で食べます。
亥の子もちには、大豆、小豆、ごま、くり、かき、あめなどを入れます。
また、子どもたちが、わらを束ねたものや、石をつけたなわを持って地面にたたく「亥の子つき」をします。
一方、関東地方では、旧暦の10月10日の夜におこなう「十日夜」という行事があります。
子どもたちは、亥の子つきのように、わらを巻いた棒を地面にたたいて家を回ります。
作物をあらすモグラを追い払う意味があるそうです。
七五三 11月15日
七五三は子どもの成長を祝う行事です。
この季節になると、晴れ着を着た子どもたちが、家族と神社でおまいりをする姿を見かけますね。
昔は子どもが病気などで命を落とすことが多かったので、子どもの無事な成長を神様にお祈りし、7歳をひとつの区切りにして、無事に成長したことをお祝いしました。
もともとは貴族や武士の間でおこなわれていた「かみおき」「はかまぎ」「おびとき」の3つの行事に由来します。
「かみおき」は、生まれてからずっとそっていた髪の毛を伸ばしはじめる儀式。
「はかまぎ」は、はじめて袴を着る儀式。
「おびとき」は、女の子がはじめて大人の着物を着て、帯を締める儀式。
明治時代のころから関東を中心に、七五三という名前で行われるようになりました。
ちとせあめの由来は?
七五三のお祝いに使われるおかしが「ちとせあめ」です。
紅白の細長いあめで、「ちとせ」は漢字で「千歳」と書き、子どもの長生きを願うおかしとされています。
勤労感謝の日 11月23日
勤労感謝の日は、【すべての職業につく人たちを敬い、生み出されたものを祝い、みんなが互いに感謝する】といった意味がこめられた祝日です。
もともと、11月23日は新嘗祭という収穫を祝うお祭りの祝日でした。
新嘗祭とは、天皇がその年にとれたお米やお酒などを神様におそなえし、収穫を感謝するという行事のことです。
新嘗祭は、1948年から勤労感謝の日という祝日になりました。
小雪 11月22日ごろ
二十四節気の一つ。
小雪は、暦の上ではわずかな雪が降り始めるころとされています。
積もるほどの雪が降り始めるのはまだ先ですが、だんだんと寒さが厳しくなってくるころです。
家に帰ったら手洗いやうがいをして、風邪を引かないよう気を付けましょう。
紅葉狩り
紅葉狩りは、春のお花見と同じように、奈良時代や平安時代の貴族の間ではじまったとされています。
秋が深まってくると、カエデやイチョウの葉が赤や黄色に色づきます。
紅葉狩りとは、色づいた葉を見て楽しむことをいいます。
日本は南北に広がった形をしているため、地域によって気候に差があります。
そのため、早い所では9月ごろから色づき始め、遅い所では12月ごろまで続きます。
山の多い日本では、美しい紅葉スポットがいくつもあります。
お弁当を持って野山へ紅葉狩りにお出かけしてみてはいかがでしょうか。
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