年中行事とは?
【年中行事】…一定の時期に毎年慣例として行われる儀式や催し物。
※慣例…繰り返し行われる習慣のようなこと。
※催し物…人を集めて行う会や祭り、イベントのこと。
日本には四季折々(春・夏・秋・冬)の行事があり、私たちは1年を通して、いろいろな行事をしていますね。
わたしたちの暮らしに当たり前のように存在している行事ですが、「なぜ行事をするのか」「何のために行事があるのか」といった行事の意味や由来などは、意外に知らないものです。
伝統や文化に触れることができる日本の行事について、紹介していきます。
12月の行事・イベント
秩父夜祭 12月2日・3日
秩父夜祭は、埼玉県秩父市の秩父神社で行われる冬のお祭りです。
花火が打ち上げられ、きらびやかな笠鉾や屋台が、町を練り歩きます。
秩父神社の女神・妙見さまと武甲山の男神が年に一度だけ出会うという伝説があるそうです。
冬の夜に提灯で照らし出された屋台が美しいお祭りです。
大雪 12月7日ごろ
二十四節気の一つ。
大雪は、【雪がたくさん降る時期】のことです。
寒さがきびしくなり、本格的に冬の訪れを感じるころです。
針供養 12月8日
針供養とは、折れたり曲がったりした縫い針を、豆腐やこんにゃくなど柔らかいものに刺して供養することです。
縫い針へ感謝を伝え、針仕事が上手くなるよう祈り、この日の針仕事はお休みします。
西日本では、12月8日に行われますが、関東地方など2月8日ごろに行う地域もあります。
正月事はじめ 12月13日
正月事はじめとは、暦の上でお正月行事の準備を始める日です。
地域によっては12月8日のところもあります。
この日から大そうじをしたり、もちつきをしたり、門松やしめ縄を飾ったり、お正月用のおそなえものを買いそろえたりします。
お正月の準備に向けて、忙しい日々が始まります。
いつまでに準備する?
お正月の準備は、なるべく28日までに終わらせるようにします。
終わらなかったら、29日(苦の日)を避けて30日にします。
31日に飾り付けやもちつきすることも、「一夜飾り」や「一夜もち」といって避けられます。
すすはらい
昔の人は、新しい年をむかえるにあたって、お正月の準備を始める13日に、まずは「すすはらい」から行っていました。
すすはらいは、1年間でたまったすすやほこりをはらい、大そうじをします。
歳神様(お正月に家におむかえする守り神)をおむかえするため、家を清めたといわれています。
家の中は毎日そうじをしていても気づかないうちにほこりがたまったり、よごれたりしています。
1年のよごれを落とし、新たな気持ちで新年をむかえられるよう、家族みんなで協力し合い、大そうじに取りかかってみませんか。
松むかえ
松むかえとは、門松などに使う松の木を山から切って来ることをいい、12月13日に行います。
お正月には門松を家の玄関に飾ります。
門松は歳神様(お正月に家におむかえする守り神)をむかえる目印とされていました。
今では松の木を山から切って来ることも少なくなり、松むかえも20日以降に行う所が多くなったそうです。
もちつき
歳神様(お正月に家におむかえする守り神)にそなえる鏡餅や、お正月に食べるためのお餅をつきます。
もちつきは、蒸した餅米を臼に入れて、杵でつきます。
今でも商店街や公民館などでもちつきをする姿を目にすることはありますね。
西日本では丸餅に、東日本では四角形やうすく伸ばして「のしもち」や「きりもち」にする風習があります。
お歳暮 12月13日~20日ごろ
お正月を前に、お世話になっている人に感謝の気持ちをこめて贈り物をする風習をお歳暮といいます。
昔は年末のことを歳暮といいました。
年末に先祖の霊や神様におそなえものを持ってお参りしたことから、今のお歳暮に変化したともいわれています。
お歳暮は、地域によって時期が異なります。
一般的には正月事はじめの13日~20日ごろが目安とされています。
年賀状 12月15日~12月25日ごろ
年賀状は、お世話になった人や親しい人に、お正月のあいさつを書いて送るハガキのことで、日本独自の習慣です。
年賀状には、賀詞とよばれるお祝いの言葉を書きます。「明けましておめでとう」「謹賀新年」といった言葉が賀詞にあたります。
年賀状は1月7日までに相手に届くように送ります。
1月1日に届くようにするには、12月25日くらいまでにポストに入れるようにしましょう。
冬至 12月22日ごろ
二十四節気の一つ。
冬至は、【1年で1番昼が短く、夜が長くなる日】のことです。
日本では、この日にカボチャを食べる風習があります。
昔からカボチャを食べると「風邪を引かない」という言い伝えがあるそうです。
ゆず湯に入ろう
冬至の日にゆずの入ったお風呂に入ると、風邪を引かないといわれます。
そのままお風呂に浮かべたり、半分に切ったゆずをガーゼに包んでお風呂に入ったりします。
ゆずには体の血行をよくするはたらきもあるそうです。
クリスマス 12月25日
クリスマスとは、イエス・キリストの誕生日を祝うキリスト教のお祭りです。
もみの木にきれいな飾りを付けたクリスマスツリーや、ヒイラギの葉などで作ったクリスマスリースを飾ります。
日本でクリスマスを祝うようになったのは、明治時代になってからで、一般の人々の間に広まったのは1940年代になってからです。
今では町中にクリスマスソングが流れ、友だちとクリスマスパーティーを開いてプレゼントを交換し合ったり、家族でごちそうやケーキを食べたりする、定番のお祭りになりました。
クリスマス・イブって何の日?
クリスマス・イブとは、クリスマス前日の24日の夜を指します。
昔は、太陽が沈んでからが1日の始まりと考えられていたので、24日の夜をクリスマス・イブとしてお祝いします。
クリスマス・イブには前夜祭という意味もあります。
サンタクロースってどんな人?
サンタクロースとは、4世紀はじめのキリスト教の聖人セント・ニコラウスがモデルといわれています。
ニコラウスは、多くの貧しい人や子どもたちを救ったという言い伝えられています。
19世紀ごろから、アメリカで白いひげを生やし、赤い服を着たサンタクロースが絵本などに描かれるようになり世界中に広まりました。
クリスマス・イブ、サンタクロースはトナカイに乗って、寝ている子どもたちにプレゼントを届けています。
冬休み 12月25日~1月7日ごろ
冬の寒さをさけるため、お正月とその準備のため、学校は冬休みとなります。
お正月をはさむため、冬休みの宿題に書き初めを出す学校もあります。
冬休みの期間は、12月25日前後から2週間くらい設けている学校が多いようですが、寒さが厳しく雪がたくさん降る地域では、冬休みが長くなり、夏休みが短くなります。
御用納め 12月28日
御用納めとは、官公庁(国や役所)がその年の仕事を終わりにすることです。
一般の会社などでも、この日を仕事納めとするところも多くみられます。
大みそか 12月31日
月の最後の日のことを「みそか(晦日)」といい、1年で最後のみそかを「大みそか(晦日)」といいます。
昔は太陽が沈んでからが1日の始まりと考えられていたので、大みそかの夜が1年の始まりとされました。
大みそかは、歳神様(お正月に家におむかえする守り神)をおむかえする準備をしたり、新年をむかえる準備をしたりします。
大みそかには、たくさんの行事があります。
年越しそば
古い年と新しい年の境目となる大みそかの夜には、年越しそばを食べます。
年越しそばには、細長いそばを食べて細く長く生きられますように、といった願いが込められているといわれています。
また、金をあつかう職人が、作業場で金粉を集めるためにそば粉を使っていたことから、新年の金運を願ったという説もあります。
年越しそばに入れる具は、地域や家庭によってさまざまですね。
エビの天ぷら、かき揚げ天ぷら、キツネなど、みなさんのお家では年越しそばに何を入れますか?
除夜の鐘
除夜とは、「ふるい年を除く夜」という意味で、1年最後の夜、つまり大みそかの夜を指します。
大みそかの夜、日付が変わる12時をはさんで、各地のお寺では鐘を108回つきます。これが除夜の鐘です。
108という数字は、人間の煩悩(心のまよい)の数といわれています。
煩悩を音で払い心を清め、新年をむかえます。
なまはげ
なまはげは秋田県男鹿地域に伝わる行事です。
12月31日の大みそかの夜、若者たちが鬼の面をつけ、「なまはげ」とよばれる鬼の姿をして、桶や木で作った包丁を持って、各家庭を回ります。
「悪い子はいねえが~、泣く子はいねえが~」と叫び、子どもを脅かします。
家の主人は、なまはげを料理やお酒でおもてなしします。
悪事をいましめ、災いをはらい、福をもたらす行事です。
コメント