年中行事とは?
【年中行事】…一定の時期に毎年慣例として行われる儀式や催し物。
※慣例…繰り返し行われる習慣のようなこと。
※催し物…人を集めて行う会や祭り、イベントのこと。
日本には四季折々(春・夏・秋・冬)の行事があり、私たちは1年を通して、いろいろな行事をしていますね。
わたしたちの暮らしに当たり前のように存在している行事ですが、「なぜ行事をするのか」「何のために行事があるのか」といった行事の意味や由来などは、意外に知らないものです。
伝統や文化に触れることができる日本の行事について、紹介していきます。
5月の行事・イベント
メーデー 5月1日
メーデーは、労働者の国際的な祭典です。アメリカで始まり世界各国に広まりました。
毎年この日は、世界中で労働者たちが権利を求めるイベントやデモ行進などが行われています。
八十八夜 5月1日~3日ごろ
立春から数えて、88日目にあたる日を「八十八夜」といいます。
八十八夜を過ぎると暖かくなってきて、霜が降ることはほとんどなくなります。
霜で植物が枯れてしまう被害が少なくなることから、農作業を始める目安とされてきました。
また、「夏も近づく八十八夜・・・」という『茶つみ』の唱歌に歌われているように、茶つみを始める時期でもあります。
この日につんだお茶は、味や香りがよく、このお茶を飲むと長生きすると言われています。
憲法記念日 5月3日
憲法記念日は、国民の祝日のひとつで、1948年に制定された祝日です。
その趣旨は【日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する】とされています。
日本国憲法は、1947年5月3日に施行されました。【国民主権】【平和主義】【基本的人権の尊重】という3つの柱から成り立っています。
5月3日は、戦後生まれ変わった日本の始まりという思いが、人々の胸に刻まれています。
みどりの日 5月4日
みどりの日は、国民の祝日のひとつで、2006年以前は4月29日でした。
1989年に昭和天皇が亡くなられた後、新しい祝日として、昭和天皇の誕生日が、『みどりの日』と名前を変えて祝日になりました。
その後、60年あまり続いた「昭和」という時代を記念して4月29日は『昭和の日』となり、『みどりの日』は5月4日に変更になりました。
みどりの日は、【自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ】ことを目的として名付けられました。
端午の節句 5月5日
3月3日のひな祭りが【女の子の節句】と言われるのに対して、5月5日の端午の節句は【男の子の節句】と言われ、男の子の健やかな成長を祈ります。
この日は、菖蒲湯に入り、男の子のいる家庭では、武者人形やかぶとなどを飾り、こいのぼりを立てます。
昔の中国では、5月に菖蒲湯に入ったり、菖蒲酒を飲んだりして、病気や災いをはらう風習がありました。
奈良時代から平安時代にかけて日本に伝わり、鎌倉時代のころから武士の間で、【菖蒲】と【尚武(武を大切にすること)】や【勝負】という言葉と音が同じことから、男の子の行事となって広まりました。
端午の節句のお菓子
柏餅
上新粉とくず粉を水で練って作った皮にあんをはさんで蒸し、柏の葉で包んだ和菓子です。
ちまき
餅や米を笹の葉で包み、いぐさでしばって蒸したものです。
中国でお供え物を捧げていた行事に由来しています。
こどもの日 5月5日
こどもの日は、【こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日】として1948年に制定された祝日です。
5月5日は、端午の節句と同じ日なので、男の子の日というイメージが強いですが、こどもの日は、『男の子も女の子も関係なく、子どもたちの成長を祝い、母親に感謝を伝える日』という意味を持っています。
立夏 5月6日ごろ
二十四節気の一つ。
立夏は、暦の上で夏が始まる時期です。
さわやかな風が心地よく、過ごしやすい季節です。
母の日 5月第2日曜日
母に感謝する日。日ごろ家事や育児で忙しく過ごしている母親に感謝をする日です。
アメリカで、ある女性が亡くなった自分の母親が好きだった白いカーネーションを、教会に来た人にプレゼントした話が広まり、「母の日」という祝日が生まれ、第二次世界大戦後に日本へ伝わった行事です。
今では母の日にカーネーションをおくることが定番になりました。
葵祭 5月15日
京都の賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社(上賀茂神社)で行われる葵祭。
平安時代の絵巻物のような優雅な行列が、およそ8キロの道のりを練り歩きます。
行列のすべてに葵の葉が飾られてます。
三社祭 5月3週目の金曜・土曜・日曜
東京都台東区にある浅草神社の盛大なみこしの祭りです。
5月3週目の金曜・土曜・日曜に行われます。
土曜日には約100基の町内みこしが練り歩き、日曜日は3基の本社みこしが力強くかつがれます。
毎年80万を超える人々が集まる日本を代表するお祭りの一つです。
神田祭 5月中旬
東京都千代田区にある神田明神(神田神社)のお祭りで、1年おきに行われます。
15日に近い土曜・日曜を中心に行われます。
神輿宮入の日は、町から約100基のみこしが、ひっきりなしに神社にやってきます。
行列をつくってみこしが練り歩く様子は、「これぞ祭り!」という江戸っ子の心意気を今に伝える活気あふれるお祭りです。
小満 5月21日ごろ
二十四節気の一つ。
小満は、気温が高くなって、草木がおいしげる時期です。
あらゆる生物が成長し、満足な大きさになるという意味です。
田植え
地域によって異なりますが、本州では5〜6月に田植えを行います。
田植えは、農家にとって大切な作業です。昔は、苗を1本1本手で植えていたので、とても大変な作業でした。
田植えは、田の神様をまつり、豊作を祈る行事でもあります。
今でも田植え作業を「田植え祭り」として盛大にお祭りにしている地域が全国にあります。
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