年中行事とは?
【年中行事】…一定の時期に毎年慣例として行われる儀式や催し物。
※慣例…繰り返し行われる習慣のようなこと。
※催し物…人を集めて行う会や祭り、イベントのこと。
日本には四季折々(春・夏・秋・冬)の行事があり、私たちは1年を通して、いろいろな行事をしていますね。
わたしたちの暮らしに当たり前のように存在している行事ですが、「なぜ行事をするのか」「何のために行事があるのか」といった行事の意味や由来などは、意外に知らないものです。
伝統や文化に触れることができる日本の行事について、紹介していきます。
1月の行事
お正月 1月1日
【行事の意味・内容】
新しい年のはじめに、年神様をむかえる行事とその年の豊作を願う行事です。
年神様は、1年の始まりに山から降りてくる神様で、豊作や子孫繁栄をもたらしてくれると信じられてきました。年神様はご先祖の霊ともいわれています。
門松・しめ縄・鏡餅を用意するのは、年神様を歓迎するためのものです。
門松
門松は、正月に年神様をむかえるために目印として立てられます。
1年中緑色をしている常緑樹に、神様が宿ると考えられてきました。そのため、常緑樹である松と竹が使われています。
しめ縄
しめ縄は、年神様をむかえる場所に飾り、災いをはらい神聖な場所を区別するためのものです。
前の年に収穫された稲のわらで作られています。
鏡餅・鏡開き
鏡餅は、年神様にお供えする平たくて丸いお餅です。
食べる人に元気をあたえるものと考えられています。
1月11日に鏡餅をたたいて割る「鏡開き」をし、神様と分け合って食べます。
鏡餅をたたいて「割る」のですが、「割る」という言葉が縁起がよくないということで、「運を開く」にかけ、「鏡開き」と呼ばれるようになりました。
おせち料理
おせち料理は、大晦日に年神様と家族そろって食べるごちそうでした。
今では、大晦日よりも正月に食べる方が一般的ですね。
おせち料理に使われる食材には、一つ一つ意味があります。
<えび>
えびのように腰が曲がるまで長生きするようにといった意味があります。
<黒豆>
健康にすごせるようにといった意味があります。
<伊達巻>
書物・文化のシンボルを意味しています。
<れんこん>
穴が開いたれんこんが、先の見通しがよいことを表しています。
<昆布巻き>
【こぶまきのこぶ⇒よろこぶ】ごろ合わせになっています。
<数の子>
たくさんの卵が子孫繫栄を表しています。
<田作り>
豊作を意味しています。
書き初め
書き初めは、元旦にはじめて汲んだ水「若水」で墨をすり、恵方(年神様がやどる縁起のよい方角)に向かって詩歌を書いたかつての習慣が現代にも根付いています。今では、文字の上達を願い字を書いたり、新年の目標を書いたりするのが一般的です。
出初式
出初式は、1年のはじめに消防士や消防関係の人たちが行う仕事はじめの行事です。
消火訓練の様子やはしごに上る姿を見せてくれます。
出初式は江戸時代からはじまったと言われています。現在では、1月6日ごろに出初式を行うことが多いようです。
初詣
初詣は、1月1日(元日)に神様にお参りをすることです。その土地の人々を守る氏神様へのお参りですが、今では大きな神社や寺にお参りする人が多いです。
七草がゆ 1月7日
【行事の意味・内容】
7種類の草を入れたおかゆを1月7日に食べます。
無病息災(病気をしないで元気な様子)を願って、七草がゆを食べるのです。
七草を切る際に、害鳥(農作物を食べてしまう鳥)を追い払う呪文を唱えることがあるとか…。
地域によって、おかゆに入れる食材が異なります。
<七草とは?>
セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロのことを言います。
小正月 1月15日
【行事の意味・内容】
1月15日を「小正月」と言います。小正月に対して、1日を中心とした正月行事を「大正月」とも言います。昔は、満月になる15日が行事の中心だったとされています。15日を祝う習慣が残り、1日が大正月、15日が小正月と呼ばれるようになりました。
どんど焼き
小正月に、正月飾りを燃やす「どんど焼き」があります。
地域によっては、「左義長」「鬼火たき」などと呼ばれています。
災いをはらうこと、豊作、子孫繁栄などを願ってどんど焼きをします。
どんど焼きの火でだんごやお餅を焼いて食べると、病気にならないと言われています。
成人の日・成人式 1月の第2月曜日
【行事の意味・内容】
二十歳になり、成人をむかえたことを祝う行事です。成人の日は、1月の第2月曜日と決められていて、その日は祝日となっています。
親や周囲の大人に守られ、育てられてきた子供時代を終え、大人の社会への仲間入りを自覚する意味があります。成人式の場では、振袖や袴、スーツを着て式に参加するのが一般的です。
大切な年中行事を見つめなおす
日本の行事について、子供もわかるようにまとめたつもりです。
ここからは、マネ夫のつぶやき。
家庭の核家族化・地域との関係が希薄化・利便性を求める生活スタイルへの変容等により、年中行事が衰退している。地域や家庭から年中行事が消滅してしまったり、行事の意味を知らないままなんとなく行っていたりする人も増加している。逮捕者が出てしまう成人式、まるで無法地帯のハロウィーン、マネ夫が知る子供たちの中には年中行事の経験が無いといった子も多い。
行事には、面白いことや驚くことが隠されていたり、昔の人々から伝えられてきた暮らしの知恵や生きる知恵も詰まっている。年中行事は正に伝統文化だと言えるのではないか。この記事が、人々の知恵や教え、生活文化を継承していく機会となっている年中行事の価値を見つめなおすきっかけになれば…。
では、また!
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