年中行事とは?
【年中行事】…一定の時期に毎年慣例として行われる儀式や催し物。
※慣例…繰り返し行われる習慣のようなこと。
※催し物…人を集めて行う会や祭り、イベントのこと。
日本には四季折々(春・夏・秋・冬)の行事があり、私たちは1年を通して、いろいろな行事をしていますね。
わたしたちの暮らしに当たり前のように存在している行事ですが、「なぜ行事をするのか」「何のために行事があるのか」といった行事の意味や由来などは、意外に知らないものです。
伝統や文化に触れることができる日本の行事について、紹介していきます。
7月の行事・イベント
海開き 7月1日
海開きは、海水浴場が始まる日に水難事故が起きないよう願う行事です。
「浜開き」と言うこともあります。
海開きの日から海の家・ライフセーバー・クラゲ防止ネットなどの準備が整うことが多いです。
山開き 7月1日
昔は、神様がいるとされた山には、夏の間にしか山に登ることができませんでした。
神様に山登りの許しをもらい、安全を願うために山開きが行われました。
今でも富士山をはじめ、各地の山で山開きが行われています。
川開き 7月1日
川開きは、納涼の季節の開始を祝う行事です。
1733年に始まった隅田川の「両国の川開き」が有名です。
川開きでは、花火を打ち上げたり、川辺に夜店を出したりするところがあります。
七夕 7月7日
七夕では、願い事を書いた短冊を笹につるしますね。
離ればなれになった織姫と彦星が天の川を渡って会うことができるという話も有名です。
七夕の由来
昔は、機織りが上手だったという織女星(こと座のベガ)にあやかり、針仕事の上達を願う行事でした。中国の女の子が針仕事の上達を願う行事「乞巧奠」という風習が日本に伝わり、奈良時代や平安時代に宮中の行事として行われるようになりました。
その後、江戸時代になると寺子屋の子供たちが文字の上達を願い、短冊を笹につるすようになりました。七夕の起源は中国にあり、長い時を経て今の七夕の形になったのですね。
七夕飾りの意味
<短冊>
願い事書きます。5色の短冊を使うのは、自然界の木・火・土・金・水を表しています。
短冊には、文字の上達や学問の上達を願う意味があります。
かつては、梶というクワ科の植物の葉を使っていました。
<くす玉>
昔、宮中で魔除けとしてつるしていた薬の玉の形をまねています。
<吹き流し>
昔、宮中で五色の糸を供えたことに関係しています。
<網飾り>
豊漁を願い、魚をとる網の形になっています。
お中元 7月初旬~7月15日(地域による)
江戸時代の習慣が今のお中元につながっています。
江戸時代には、先祖をまつり、親戚の家に米やお菓子を贈る習慣がありました。
現代のお中元は、親しい人やいつもお世話になっている人へ日頃の感謝を贈る夏の挨拶となっています。
お中元は、地域によって時期が異なります。
主に東日本では、7月初旬〜15日。西日本では、7月中旬〜8月15日となっているようです。
ただし、東日本の地域でありながらお中元が8月といった地域もあるので、お中元を贈る際には調べた方が良さそうです。
お盆 7月13日~16日
お盆とは、ご先祖様や亡くなった方の魂が、あの世からこの世に戻ってくる期間のこと。魂をお迎えして、冥福を祈ります。(死後の世界でも幸せでありますようにとお祈りすること)
お盆と言えば、8月15日前後を想像する人が多いと思いますが、7月にもお盆があるのです。
お盆は、もともと旧暦7月の行事でした。新しい暦では、8月であるため、今でも7月に行う地域と8月に行う地域があります。お盆の始まりとする7月7日を「七日盆」と言います。
迎え火・送り火
13日に迎え火をたき、先祖の霊が迷わないようにします。
16日には、送り火をたき、先祖を送ります。
精霊馬
精霊馬は、なつやきゅうりに足をつけた先祖の乗り物。先祖をお盆におむかえしたり、送ったりする乗り物。
夏の収穫の報告の意味もあって野菜を使っています。
先祖に早く家に来てもらいたいという意味から、きゅうりを馬に見立てて作ります。
先祖にゆっくり帰ってほしい意味から、なすを歩みがゆっくりな牛に見立てて作ります。
土用の丑の日 7月20日ごろ
土用の丑の日は、「夏の土用」の「丑」の日にうなぎを食べる行事です。
<土用とは?>
立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間のこと。
<丑とは?>
丑の日の「丑」は十二支の「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」の丑のことです。
昔は、干支を使って日時を表していたのですね。
<なぜうなぎなの?>
うなぎには、夏バテ防止に必要なビタミンBがたっぷり。スタミナをつけるためにもうなぎはもってこいです。でも、なぜうなぎなのか…。
土用にうなぎを食べる習慣は、江戸時代に誕生しました。
夏に暇をしていたうなぎ屋のために、発明家・医者であった平賀源内が「本日土用丑の日」と店先に貼り紙を出したり、「土用にはうなぎがいいらしい」という評判を広めたりしたところ大変繁盛したとの説があります。平賀源内の経営戦略が現代にも伝わる土用の丑の日にうなぎを食べるという行事になったのかもしれませんね。
大暑 7月23日ごろ
二十四節気の一つ。
大暑は、1年の間で暑さが最も厳しく感じられる日。
暑さで体力が落ちてしまわないように、力のつくウナギを食べる「土用の丑の日」があります。
毎年、この頃になると、動物園の動物たちに氷や冷たい物がプレゼントされる光景を見ませんか。
大暑に合わせたイベントを行う動物園も多いそうです。
暑中見舞い 7月7日ごろ~8月8日ごろ
暑中見舞いは、小暑(7月7日ごろ)から立秋(8月8日ごろ)の前日までに出す季節の手紙。
「暑中お見舞い申し上げます」や「暑中お伺い申し上げます」といったお見舞いの挨拶から始まることが多いです。
朝顔市
東京都台東区鬼子母神で有名な入谷朝顔市。
江戸時代に、植木職人が神社の境内で朝顔を売り出したことから始まりました。
ほおずき市
東京都台東区浅草寺で有名なほおずき市。
江戸時代に、「神様のお告げで、ほおずきを煎じて飲んだら病気が治った。」という話が広まり、ほおずきが売られるようになったそうです。7月9~10日に観音様にお参りをすると、4万6000日分のお参りをしたのと同じ意味になると言われています。
祇園祭
京都府京都市八坂神社で有名な祇園祭。
病気や災いをはらうために行われる行事。
お神輿よりも大きい「山」の「山鉾巡行」が見どころ。
神様は山に降りてくると考えられていたため山鉾は、移動式の山を表しています。
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